粗利益から逆算する月次の戦い方
                 2025.9.19


「売上は悪くないのに、利益が出ていない気がする」。そんな声をよく聞きます。
原因の多くは、月末まで“数字が見えない”こと。
実は、毎日の粗利益額をメモするだけで、月の途中でも利益の手応えをつかめます。

 

<考え方 見るのは“売上”ではなく“粗利益額”>
 
売上が大きくても、原価が高ければ利益は出ません。
 
見るべきは「その日いくら粗利が積み上がったか」。月次は“粗利の積み木”です。 

やり方 粗利益メモの作り方(3行だけ)
 “正確さより即時性”で、今日の利益の現在地をつかむための超シンプル運用です。
 迷う数字は翌日修正でOK。まずは動くことが目的です。

 ①その日の粗利益額(売上−材料費・外注費など)を1行で記録する
  → 今日いくら“利益のタネ”が積み上がったかを見ます。
 ②月の固定費(家賃・人件費などの合計)をあらかじめ1つの数字で置く
  →毎月の“越えるべきハードル”を明確にします。
 ③「累計粗利 − 固定費」= 現時点の概算利益を横に書く 
  →今の時点でプラスかマイナスか、一目で判断できます。

<社内への展開 20分ミーティングの型
 数字を“行動”に変えるための短時間ミーティングです。
 議論を広げない代わりに、今日やることを1つ決めるのがゴールです。
 冒頭5分:昨日までの累計粗利固定費までの残り距離を共有。
  →体温計のように“現状”だけを確認。原因分析は深掘りしない。

 ②次の10分:距離を詰める今日の一手を1つ決める。
  
例)A案件の原価見直し/B案件の段取り変更/見積りの標準化の適用
  
 ”一番効く一手×今日できる”の観点で優先度を即決。
 
③最後の5分:意思決定事項と担当者・期限をメモ
   ②の今日の一手について、「誰が・いつまでに・どうなればOKか」を1行でメモ

3分ワーク(穴埋め)
 
始業前や終業前に3分で埋めるだけ今日の意思決定スピードが上がります。
 初日は概算でOK、1週間で習慣化を目指します。


 月の固定費(概算)
:____万円
  ※ 家賃・人件費・水道光熱費・通信費などの合計。毎月1回だけ見直し。
 
 ②今月の目標粗利:____万円(=固定費+目標利益)
  ※ “いくら積めば勝ちか”を先に決める。利益計画の芯になります。

 ③今日の粗利益(概算):____円 / 累計:____円
 ※ 迷う原価はメモだけ残し、翌日に精査。止まらないことが大切。

 ④固定費までの残り距離:____円
 ※ ここがゼロを切れば“最低限は確保”。次は目標利益の上積みへ。

 ⑤今日の一手(一つ):____(担当:__、期限:__)
 ※ 「やる・やらない」をはっきり。終礼で“できた/できてない”を確認。


月末まで“祈る”のではなく、今日の粗利で“動く”。
積み上げが見えれば、意思決定は速く、シンプルになります。

最近「売上は増えているのに資金繰りが楽にならない」という相談が増えています。
売上が増えるとかえって資金繰りは苦しくなり、さらには利益も出ていないということがあります。
売上を追うのではなく、粗利益額を意識することが大切。粗利益メモをまずは1週間だけ試してみてください。続ける価値があるか、体感でわかります。
(※本稿は一般的な考え方の紹介です。個別事情により最適な方法は異なります。)

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